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2021.07.30

美味しい食が、豊かな食文化をつくる。米澤文雄シェフがプラントベース商品開発に込めた想い

with who?

株式会社No Code代表

米澤文雄

1980年、東京都出身。高校卒業後、恵比寿のイタリアンで修業し、22歳で渡米。ニューヨークのミシュラン三ツ星店「Jean-Georges」でインターンを経て、日本人初のスーシェフとなる。帰国後、日本国内のレストランで総料理長を務める。「Jean-Georges Tokyo」の日本進出を機に、シェフ・ド・キュイジーヌとして活躍。2018年9月「The Burn」をプロデュースし、エグゼクティブ・シェフに就任。2020年7月には東京・広尾に、自身が手がけるベジタリアン専門店「Salam」をオープン。著書に「Vegan Recipes/ヴィーガン・レシピ」(柴田書店)がある。

地球に優しい、持続可能な食生活をおくりたいーーサステナビリティが取り上げられることが多くなった昨今、身近な食から見直そうとする人もいらっしゃるのではないでしょうか。

前回の記事で、ヴィーガンもそうでない人も分け隔てなく食卓を囲める未来について語ってくれた米澤文雄シェフ。地球にも人にも優しい食を目指して、COMMEARTHでは米澤シェフと一緒にプラントベースの食品を開発しています。第一弾はオリジナルパスタソースとアイスクリーム。もちろん、ヴィーガンにも対応しています。

制約がある中でも、圧倒的に美味しいものをーーそんな想いが伝わってくる食品が完成。今回の記事では、米澤さんが商品開発にかける想いを伺いました。

美味しいヴィーガン食がまだまだ足りない

今回プラントベースのパスタソースやアイスをオリジナルで開発することになりましたが、どんな想いがあったのでしょうか?

食の文化ってもう少し大きくなるべきだと思っているんです。ただ、大きくなるためにはまだまだ美味しいものが少ないとも感じていて。美味しいものが少ないから、続いていかない。僕がこれまでヴィーガン料理をずっとやってきた中で、考えてきたアイディアや経験を美味しいものを増やしていくことへの力になれないかなと。

これまでなかったクオリティのヴィーガン対応のパスタソースやアイスクリームができれば、ヴィーガン食しか食べられなかった人たちも幸せになれるじゃないですか。他にも、動物性のものを避けたいと思っていても、既存のヴィーガン食が口に合わないから嫌だなと思っていた人たちにとって、新たな選択肢になるのかなと思い商品開発することにしました。

美味しいものが少ないというのは、少し驚きです。

特にヴィーガン食はおそらく、単純に商品を開発している人や会社が少ないんですよ。でもある程度美味しいものが多くなってこないと、売り上げを見込みづらく手をつけづらい側面もあると思っていて。今回開発したパスタソースとアイスクリームが、一つのきっかけになれば嬉しいですね。

トマトとケッパーの甘酒トマトソース

ヴィーガン食をつくる上で、特に意識したことはありますか。

なるべくノージャンルで考えることですね。イタリアンのヴィーガン、フレンチのヴィーガンというジャンルではなく、『ヴィーガン料理』という1つの枠で捉えています。

やっぱり商品開発って難しいんです。1つの食品の味わいを構成するのに、イタリアン、スパニッシュ、和食、中華など、それぞれの要素をいろんなところに散りばめていって、美味しいヴィーガン料理をつくっています。

ヴィーガン食とそうでない食との開発難易度の違いって何が大きいのでしょうか?

単純に動物性の食材を使えるか使えないかですね。やはり動物性の食材って旨みが強いんです。味わいのボリューム感と言いますか、食べたときの食味が全然違います。ヴィーガン食の場合はそれをいろんな調味料や調理法、素材の組み合わせなど技術やアイディアで補うので、大変ですよ。

動物性のものは素材単体で、勝負できるんですよ。焼き肉、串焼き、しゃぶしゃぶ、うなぎ、すき焼き、ステーキ。基本的には素材に焦点を合わせた料理ですよね。逆に毎日きゅうりや人参を食べたい人ってそんなに多くないと思うんです。結局そういった素材の違いなんですよ。

ジャンルを超えて開発した、パスタソースとアイスクリーム

プラントベースアイス。味はココナッツフレーバー、ソルトフレーバー、アールグレイフレーバーの3種類。

パスタソースとアイスクリームを開発する上で、意識したことはありますか。

やっぱり美味しさがプライオリティの一番上にきたいなと思っています。ヴィーガン食だからこれぐらいの味でもしょうがないといった考えはありません。もちろん、食材に関しては動物性のものを使えないといった制約はありますが、安心安全で美味しいものをつくりたいですね。

味にこだわる上で、何か工夫されたことはありますか。

調味料や味わいに関しては、なるべくいろんなものをうまい具合に駆使して、美味しさにつなげられればいいなと。今回開発した『トマトとケッパーの甘酒トマトソース』はイタリアンだけど、少し甘酒を使っています。いろんな可能性を模索していかないと、美味しいものはつくれません。特定のものだけしか使えないと、やっぱり難しい。

実際に完成したパスタソースとアイスクリーム食べてみてどうでしたか?

すごく美味しくて、本当に嬉しかったですね。開発していた半年間、たくさん生意気な意見を言いましたが、このクオリティにまでつくりこんでくれた製造パートナーである南華園や長沼あいすの方々には感謝の気持ちしかありません。ぜひ、『プラントベース』や『ヴィーガン』ということを抜きにして、多くの方に召し上がっていただきたいです。

様々な理由で動物性のものを食べられない人がたくさんいるので、今回の商品をきっかけに喜んでいただける方の幅が広がることは嬉しいですね。すでに開発を進めているプラントベースやヴィーガン食も、これからどんどんお届けできるかなと。僕たち開発プレイヤーも切磋琢磨してさらにいい商品をつくり、待っている方々に今以上に喜んでいただきたいですね。



INTERVIEW & TEXT BY TOMOHIRO NAKATATE

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