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2022.04.04

植物の根も、葉も、茎も、花も、実も、まるごと肌へ。NEMOHAMOが実現する、人と地球の美しい循環

with who?

株式会社ビオスタイル Beauty事業部 部長

牧田康平

株式会社ビオスタイル Beauty事業部 部長。1983年、京都府生まれ。大学卒業後、クリエイティブ会社・広告制作会社で様々な企業のプロジェクトに携わった後、海外香水・化粧品の輸入販売会社勤務を経て、2019年2月に株式会社ビオスタイル入社。化粧品と食品のオリジナルブランドの企画・開発チームに参画後、19年12月「NEMOHAMO」ローンチ。20年7月より現職

「環境に配慮しています」

持続可能な取り組みが強く求められるようになり、環境への配慮を伝えてくれる商品やサービスが増えてきたように感じます。でも、配慮とは何なのでしょうか。

そんな想いを胸に出会ったのが、植物をまるごと使って作られたオーガニックコスメ「NEMOHAMO」。自社農園での土づくり、水を一滴も使わない製造方法、排煙や排水を一切出さず100%再生可能エネルギーで稼働する製造工場、過度に不良品を出さない基準——NEMOHAMOのものづくりからは、徹底した「配慮」が伝わってきます。

「植物の力を通して、人も地球も美しくすること」を大切にしているというNEMOHAMO。自然へのまなざしや取り組みは、人と地球のことを考える上でたくさんのヒントを語りかけてくれます。NEMOHAMOの企画・開発に携わる牧田康平さんにお話を伺いました。

根も葉も“ある”、NEMOHAMO

NEMOHAMOは「植物まるごとのちからを肌へ」というコンセプトを掲げています。どんな想いからスタートしたブランドなんですか?

植物の根には土壌から水分や養分を吸い取る力があり、茎には体の芯を支える力、葉には光合成と呼吸をする力があります。植物が厳しい環境下で生き抜いているのは、植物の部位全てがあってこそ。だとすれば、根・葉・茎・花・実など全て入れることで、植物の力を最大限引き出すコスメを作れないかと考えたのがNEMOHAMOの始まりでした。食べ物だと「一物全体食(ホールフード)」という考え方がありますが、まさに同じで、私たちは「ホールプラントビューティー」と呼んでいます。

「NEMOHAMO」という名前には「植物まるごと」という意味が込められていて、実際にオタネニンジンという植物がまるごと入っています。余談ですが、ブランド名を決める際、ネガティブな意見もあったんです。日本語で「根も葉もない」という言葉があるので、音を聴くとどうしても真っ先に連想されてしまう。結果的に植物をまるごと入れていることや、私たちが京都の会社であり響き的にも日本語らしさがあることから、今のブランド名に落ち着きました。ブランドの説明をする際に冗談混じりで、「根も葉も“ある”ブランドです」とお話しています(笑)。

その後、どのようにして商品ができあがっていったんですか?

まずNEMOHAMOの開発や販売をしている株式会社ビオスタイルは、京阪ホールディングスの100%子会社です。京阪は2020年に創業110周年を迎え、次の100年もお客様に愛していただける企業になるために、長期的な経営戦略の一つとして「共感コンテンツ創造」という方針を大事にしています。簡単に言うと、お客様の健康的で質の高い生活を実現し、持続可能な社会の実現や循環型社会に寄与するライフスタイルを提案すること。私たちはそうしたライフスタイルを「ビオスタイル」と言い、そのまま会社名にもしています。

ただ京阪は鉄道の運輸業や不動産業を行っている会社ですから、化粧品やものづくりの経験はありませんでした。それでも私たちがやる意味や意義を試行錯誤しながら考えていくと、「本物をつくる」ではないかと。そんなことを思案していたときに出会ったのが、現在製造パートナーとしてご一緒している美容薬理株式会社代表の金井誠一さんでした。

金井さんは福岡で土から化粧品をつくられている常識外れのつくり手で、自然環境への配慮はもちろん、自然に対してとても敬意を持たれているのが印象的でした。石油由来の原料を一切使わない、人の肌にとって優しいものづくりを徹底されています。その姿勢に私たちも共鳴し、どんな環境下でも生き抜く自然の偉大な力、植物まるごとの力を実感できる化粧品、「NEMOHAMO」を生み出せました。

いい化粧品づくりは、いい土づくりから

「土からつくる」というのは、具体的には何から始めるんですか。

金井さんの工場は福岡県芦屋町の里山にあるのですが、私たちはその里山に自社農園を持っています。そこで自分たちの手で土を耕し、NEMOHAMOに使用しているヨモギやカキドオシなどの植物を育てています。ちょうど先日も草取りをしてきました。京都から少し距離はありますが、時々福岡まで足を運び土や植物が健康的に育つような環境づくりを金井さんたちと一緒に行っています。

福岡県北部の遠賀郡芦屋町にある里山。すぐ近くには海が広がり、里山の土にはミネラルが多く含まれるそう。里山は有機JAS認証を取得しており、NEMOHAMOの製造工程において自然環境に限りなく負荷をかけない様々な取り組みがされている。

スタッフのみなさん自身が農園で作業もされているんですね。自分たちの手で土づくりや植物を育ててみて、何を感じましたか。

まず何より、自然はコントロールできないと実感しました。植物の生育状況って農園に行くたびにそれぞれ違うんですよね。春先に行くとラベンダーが順調に育っていたのですが、夏には暑過ぎてちょっと枯れていて、「原料が足りないかも…」と不安になりました。一方で、豊作なときもあって、原料としてどうやって使おうかと悩むことも。

あとは、効率についてすごく考えさせられましたね。植物を傷つけないよう機械は使わず、人の手だけで収穫するのですが、スタッフ数名がかりでもそんなに多くの植物を一度に収穫はできません。1日中汗水垂らして収穫した量でも、ローションにすると大した数量にはならず、どうしても効率が良いとは言えません。

収穫時期は、植物が成長するまで待つ必要があります。特にNEMOHAMOでは植物の力を最大限に引き出すために、旬の時期にしか収穫しないんです。だからこそ、その時期まで辛抱強く丁寧に育てていかないといけません。

さらには虫。本当にたくさん出るんですよね。夏には太ももをめちゃくちゃ刺されて、ぱんぱんに腫れてしまい2ヶ月ほど治りませんでした。夏は熱中症にもなりかけましたし、そうした大変さは身に染みて感じています。

大変さがすごく伝わってきます。自分たちでも農園で作業を行うのはなぜですか?

やっぱり自分たちが農作業をしているときに、植物が持っているパワーを感じられる部分が大きいですね。たくさん収穫してもローション数本分にしかならないときもある中で、私たち自身が植物の価値やNEMOHAMOの化粧品としての価値を実感しています。その価値を店頭やWebでお客様に自分たちの言葉でしっかりとお伝えできることは、とても意義を感じます。

お客様からすると、化粧品の原料ってどこでどんな人が、どんな風に作っているのかわかりづらいと思うんです。私たちはほとんどのスタッフが自分たちの目で農園を見ているので、実体験として「NEMOHAMOに入っているヨモギは、この季節こんな状態でしたよ」と話せます。そうしたお話ができるのも、NEMOHAMOの価値の一つです。

NEMOHAMOの原料を栽培している里山で育つ植物たち。


NEMOHAMOのキープラント、オタネニンジン

植物を収穫した後は、どのような工程を経てNEMOHAMOができるんですか。

まずは植物を収穫直後のフレッシュな状態で、里山のすぐ裏手にある金井さんの製造工場に運び込みます。その後、植物が持つビタミンや酵素といった美容成分を壊さない低温真空抽出法によりエキス化。植物の力を最大限に感じていただくために、ローションは水を一滴も使わずに処方していきます。

一際目を引くオレンジ色の容器は、植物のエキスやエネルギー、大地や太陽など自然の生命力を表現している。


植物の力と言えば、多くの商品に共通して入っているオタネニンジンがNEMOHAMOの始まりだそうですね。オタネニンジンとはどんな植物なんですか?

オタネニンジンは食用で連想する「ニンジン」ではなく、ウコギ科の植物です。別名「チョウセンニンジン(朝鮮人蔘)」や「コウライニンジン(高麗人蔘)」とも呼ばれます。古来より和漢として主に利用されていましたが、美容にも使われていて。高麗人蔘をイメージすると何となく想像がつくかもしれませんが、やはりパワーがあって肌にもいいとされています。

オタネニンジン

私たちは長崎県の対馬で農薬を使わずに育てられた3年もののオタネニンジンを、ひげ根も葉も、茎も花も余すところなくエキス化して使っています。実はオタネニンジンは収穫した後、土壌を3年間休ませる必要があります。つまり、それだけの期間土壌を休ませないといけないほど、オタネニンジンが土壌から栄養分を吸い取っているんですね。それほど栄養価が高い植物なんです。

オタネニンジンの生命力が伝わってきますね。

オタネニンジンの話は楽しくて尽きないですよ(笑)。名前の由来ですが、一説によると日本に伝来したのは江戸時代で、当時から和漢としての価値が知られており、輸入するにはとても高価でした。そこで江戸幕府がオタネニンジンの国産化に取り組もうと、各地の大名にニンジンの「種」を分け与え栽培を奨励したため、「オタネ(御種)」と呼ぶようになったとか。

また、オタネニンジンの学名はパナックスジンセン(Panax ginseng)と言います。「パナックス」は万能という意味で、それだけ力が認められていたんですよね。NEMOHAMOでは、オタネニンジンのエキスが肌を健やかにしてくれる実感があるので、個人的にも頷けます。

自然の恵みをいただくからこそ、環境への配慮を徹底する

NEMOHAMOでは環境に対してどんな取り組みをしていますか。

植物からすごいエネルギーをいただいているので、植物に対して敬意の念を持ちつつ、循環していく流れをつくれたらとの想いから、環境配慮型のものづくりを徹底しています。材料は全て自然由来の成分で、表示義務のないキャリーオーバーを含めて、石油由来の原料を一切使用していません。製造工程においても排煙や排水は一切なく、エキス抽出後の残渣や余った原料は里山に還し、堆肥として再利用。製造工場のエネルギーは100%再生可能エネルギーを使用しています。

資材に関しても、ローションの容器には石油由来の容器使用量を減らすため、詰替レフィルを採用しています。スキンケアの化粧箱はサトウキビの搾りかす由来のバガス紙、ヘアケアやボディケアの容器はサトウキビ由来のバイオマスPEを使用。輸送箱にはリサイクル率98%以上の段ボールを使い、内箱を廃止するなど省資源化を進めています。また、こうした容器や箱の不良基準を厳しく設けないようにしています。

不良品があまり出ないからですか?

どちらかと言うと、化粧品としてしっかりと機能的な価値を保っていれば、基本的には問題ないと思っているんです。例えば容器についてだと、ちょっとした傷がついていたとしても、容器としての機能はしっかりしていて、嫌な気持ちにならない場合が多い。でもほんの少しの傷によって、不良品として廃棄される商品はすごくたくさんあるんです。私たちはそうした基準にはすごく違和感があって。

製造工程においてもオーガニックの作り方だと、多少色が白濁したり、オタネニンジンのかすが入っていたりします。一般的な作り方であれば徹底して取り除くのですが、私たちはものづくりの証でもあると思っているんですね。植物がまるごと入っている証拠でもありますし、ワインでいうテロワールのようなもので、その土地の自然がそのまま、まるごと入っている。製造年や方法によって色や残渣の有無が多少変わることは、NEMOHAMOの商品のおもしろさとして感じていただけるのではと思っています。

もちろん、化粧品としての価値や品質の担保は大前提です。ですが、それ以外の部分に関しては、自然由来の商品として楽しんでいただけるポジティブな要素なのかなと。

サトウキビの搾りかす由来のバガス紙で作られた、スキンケアの化粧箱。化粧品によく同梱される説明書を廃止し、化粧箱の中面に説明書を印刷。紙資源の削減を行っている。

一つひとつできることを徹底されているんですね。どうしてそこまで取り組めていると思いますか。

やはり大きいのは会社やブランドの意義ですね。鉄道会社が化粧品事業に新規参入するって、なかなかの覚悟がないとできません。私たちができるのは、お客様に安心安全な商品をお届けすること。そして、お客様と一緒によりよい地球環境や循環型社会に寄与すること。それを徹底していきたかったですし、徹底できないのであれば、私たちがブランドを出す意味はないとすら思っています。そうした想いがブランドの根幹にあります。

それからスタッフ。会社やブランドの思想に共感した人ばかりが集まってできたのがビオスタイルという会社。だからこそ、チームみんなで思想を徹底して実現できているのだと思います。

実際に私の場合は以前商社で働いていて、化粧品の容器を中国で製造していたのですが、日本の基準が厳しく現地で大量に廃棄される光景を目の当たりにしてきました。本当にこんな仕組みを続けていいのだろうかと、ずっとものづくりのあり方について考えていたんです。だからこそ、今NEMOHAMOを通してお客様や環境に対して、誠実なものづくりができているのが誇らしいですね。

NEMOHAMOを使うことで、人も地球も美しく

初めて「NEMOHAMO」を使う場合、おすすめの商品や使い方を教えてください。

NEMOHAMOのスキンケアにはおすすめの5つのステップがあります。まずはクレンジングオイルでメイクや不要な汚れを落とし(step.1)、洗顔ソープでしっとり洗い上げます(step.2)。それからブースターオイルを使い肌自身を柔らかく整え(step.3)、ローションで潤します(step.4)。最後にフルバリア美容液を使い、肌に与えた美容成分が逃げないように守ります(step.5)。

このステップにおいて、必ずどなたにも使用をオススメしたいのが、ブースターオイルです。基本成分はツバキとコメヌカで、特にツバキは里山で自生しているものを使っていますし、もちろんオタネニンジンもまるごと入っています。ブースターオイルがいいのは何より、肌効果が実感しやすいこと。スッと肌に馴染みながら、ベタつき過ぎず、しっかりと保湿してくれます。

あとNEMOHAMOのスキンケア商品に共通して言えますが、自然の香りを体感できます。オーガニックコスメのよさの1つは、香りだと思うんです。NEMOHAMOの場合、クスノキの仲間であるクロモジの精油をブレンドしています。リラックス効果があるので、心までスッと癒してくれますよ。

ちなみにこのクロモジにも思い入れがあって、京都府京北で間伐材から精油づくりをされている「杉乃精(すぎのせい)」さんが作られたものを使っています。間伐材として取れたクロモジを粉砕したチップに、汲み上げた地下水を入れ、ガスや電気ではなく、廃材や残木を薪にして釜を炊き上げ蒸留しています。精油を採った後の残渣は足浴にするなど、資源を無駄にしない「循環型林業」という環境にも配慮した方法で作られているんです。


クロモジを水蒸気蒸留法で抽出している様子。


NEMOHAMOの使用時に気をつけた方がいいポイントはありますか。

石油由来の原料を一切使用しておらず、石油由来の防腐剤も使っていません。そのため、使用期限が開封後3ヶ月、未開封で2年間である点に気をつけていただきたいです。化粧品としての品質は、成分として含まれている植物の力によって3年間担保していますが、やはりフレッシュな状態で使っていただきたいため、そうした期限を設けています。

使用頻度についてはどうですか。

オーガニックコスメは使い続けていただくことがすごく大切で、どちらかと言えば「その人自身の肌を健やかにしていく」イメージなんです。肌が健やかになると荒れにくくなったり、乾燥しづらくなったり、皮脂トラブルもなくなったり。人によっては植物の力が強く、好転反応を起こす場合もあると思いますが、使い続けていくうちに肌は健やかになります。1日に複数回使っていただいて大丈夫なので、あまり回数は気にせず、使い続けてもらえると効果を実感してもらいやすいと思います。

ブースターオイルは個人差はありながらも、目安として10日間前後使い続けると、効果実感を得やすいそう。

NEMOHAMOを継続して使っていただく中で、どんな体験を届けたいですか。

私たちは植物の力を通して、人も地球も美しくすることを根本の考えに据えています。やっぱり植物の力をすごく信じているんですね。花をもらったら嬉しくなったり、植物を部屋に置くと心が癒されたり、香りを嗅ぐとリラックスできたり。そうした植物の力を、私たち一人ひとりが実体験として感じているからこそ、その力を使ってお客様の肌や生活を豊かにしていきたいんです。

自然からたくさんの力をいただいているので、自然に対する敬意や感謝の想いを込めて日々ものづくりをしています。NEMOHAMOを使っていただき、心と体を豊かにしながら、地球環境に対して少しでも配慮しているんだと感じていただけたら嬉しいですね。

取材・執筆:中楯知宏 画像提供:株式会社ビオスタイル

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